ドナルド・トランプ米大統領が今週発表した予算教書は、共和党主流派の正統なモデルだ。中国やロシアといった「ライバル国家」をかわしつつ同盟国を支援するための国防費増額を求めながら、「重複したプログラムと無駄な支出で膨らんだ連邦政府」を非難している。予算教書は伝統的な財政タカ派のように、膨らむ債務と赤字が「米国の繁栄に対する深刻な脅威」であり、「より生産的な投資を締め出す」だろうと厳しい警鐘を鳴らしている。解決策は、保守派の政策通が長らく訴えてきた労働要件など給付金制度の変更だ。つまり、財政保守派の指針の声明としては全く驚くに値しない。問題は、トランプ氏が財政保守派ではないことだ。予算教書には債務や赤字や政府支出を巡る懸念が表れているが、トランプ氏の言動にはほとんどそれが見えない。ワシントンポスト紙によると、1月には「予算のことなど誰が気にするか」と献金者らに述べたという。
トランプ氏の予算教書、本人は関心なさそう
大統領は債務も赤字も支出もほとんど気にしていない
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