イランの原油輸出量が急減している。新型コロナウイルスの感染拡大により、最後の主要な貿易相手国である中国で需要が低下したことも一因だ。米国やイランの政府当局者らが明らかにした。経済崩壊のリスクを迎えていたイランへの追い打ちになっているという。中国での混乱により、原油輸出の減少だけでなく、イラン国内の工場などで必要とされる交換用部品や安価な商品の供給網にも混乱が生じている。テヘランの商品トレーダー、アリ・アミルリラビ氏は、「イラン経済はすでに悪化している」とし、「ここにきてコロナウイルスがイランと中国の貿易取引に悪影響を与えている」と続けた。トランプ米政権はイラン核合意から離脱し再び同国に制裁を課したが、中国は2018年にこの方針に反発、イラン産原油輸入を行う唯一の主要取引国となった。国際エネルギー機関(IEA)によれば、以前の輸入量からは半分程度に落ち込んでいるものの、中国は2019年にイラン産原油を日量30万バレル購入している。