欧州連合(EU)は20日から首脳会議を開き、2021年からの7年間のEU予算について加盟国の分担を協議する。英国離脱後の穴埋めを巡り対立は避けられない見通しで、必要に応じて週末いっぱい協議を続ける。予算案で合意できれば、EUが難しい政治判断を下せることの証しとなり、英離脱後の結束を示すことになる。また、地政学的および経済的な課題に集中し、最大の目標である「カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出量ゼロ)の2050年までの実現に向けて踏み出すことが可能となる。だが一部当局者は首脳会談が失敗に終わり、予算を巡る対立が今後数カ月にわたって続いて域内の亀裂が深まることを恐れている。21-27年の中期財政計画(MFF)では、英国の離脱によって歳入が600億~750億ユーロ(約7兆2000億~9兆円)減少する見込み。低所得国は緊縮予算となれば自国内の欧州懐疑派が勢いづきかねないと主張する一方、EUから受け取る補助金が自国の拠出金を下回っている政府はその逆を恐れている。