そして最後に冒頭の「未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい」と、自分の運命を暗示するような一文で締めくくられていた。
この手紙は昨年3月27日、心愛さんが通っていた小学校の教頭から祖母(88)=勇一郎被告の母=に「通知表を取りにおいでいただけますか」と電話があり、通知表や同級生からの手紙と一緒に手渡されたという。
公判前の18日に記者会見した祖母によると、この手紙を書いたのは勇一郎被告と離れ、祖父母宅に身を寄せていた時期。
いとこと一緒に遊んだり、音楽会の歌を風呂場で練習したりするなど、落ち着いた生活を送っていた。「5年生になったら金管バンドに入る」と楽しみにしていたという。
しかし、心愛さんは5年生に進級することなく、生涯を終えてしまった――。
祖母は「(虐待に気付いてあげられず)申し訳ない」とうなだれ、「(大人になった心愛さんを)私たちも本当に見たかった」と涙を流した。
そして、被告となった息子にこう訴えかけた。
「やったことに、しっかり向き合ってほしい」
3月に被告人質問など数回の公判が開かれ、判決は同19日に言い渡される。