1.暗記ものの場合は、「原因」もチェック
歴史や暗記ものの場合は、参考書の「目次」「見出し」および「太字」で書かれているところをチェックします。試験に必ず出る大切なポイントが、そこに集約されているからです。
この方法はすでにほかの勉強法でもよく言われていることですが、私はものごとが起こった「原因」も確認するようにしています。
たとえば、第一次世界大戦の勃発についてなら、ヨーロッパの産業が発達して生産過剰になり、複数の国が植民地支配を企図して他国に侵攻していった結果、侵攻した国同士で対立して紛争が起きたという背景があります。
その背景があるなかで、セルビアの皇太子が暗殺され、それをきっかけにロシア、ドイツ、英国、日本までも参戦する大戦となった、といういきさつを確認するのです。
このように、ものごとの本質の部分に着目しておくと、それがフックとなり、ただ暗記するよりも記憶に残りやすくなります。
試験勉強でいちばん大切なのが、「原因」です。原因さえわかっていれば、結果は自然に導き出されます。
「イマナニ法」は、振り返りに時間をかけすぎないのもポイント。こういった本質部分は、最優先で振り返りましょう。
2.理解ものの場合は、解きなおして正解を確認する
数学など理解系の科目の場合は、自分がいちばんできていなかったところを振り返るようにします。
たとえば、このような問題があります。
「大小2つのサイコロを同時に投げるとき、出た目の数をそれぞれa、bとする。
1 ab=6 となる場合は何通りあるか
2 b/a が偶数となる確率を求めよ」
1番の問題は簡単なので、間違えるとすれば2番でしょう。サイコロの振り方は6×6で36通りなので、b/a が偶数になる場合が何通りあるのか数えれば答えは求まります。これは私が、小学生に算数を教えていたときに出した問題なのですが、その受講生は「aが1のとき」のパターンを書きもらし、間違えてしまいました。このように間違えてしまった問題は、答えを見て「はい、おしまい」ではなく、もう一度自分で解き直して正解できるかチェックするのがおすすめです。
この1〜5分の振り返りは、学校の授業の後、1日の勉強が終わった後などにも応用できます。
私は受講生に「イマナニ法」を伝えていますが、始めて2週間くらいで、「勉強が身についてきた」「小テストで点数を取れるようになってきた」との声が聞かれます。みなさんにも、それだけすぐに効果が出る方法だと声を大にしてお伝えしたいです。
「イマナニ法」は、記憶を定着させるだけでなく、やるべきことの優先順位をつけるうえでも効果があります。
自分の弱点を可視化し、そこを優先的にやることで、次につながっていくのです。