米連邦準備制度理事会(FRB)が3日に緊急利下げに踏み切った3つの理由に目を向けると、なぜ追加利下げに踏み切る可能性が高いのかが分かる。3日の利下げの狙いは、国民の信頼感を向上させ、金融環境の一段の悪化を阻止するとともに、世界経済の減速による米経済への衝撃を和らげることだった。利下げはそのいずれの効果もあるだろう。だが米国内での新型コロナウイルス感染者が増加する中で、見通しは向こう数週間に一段と悪化する可能性がある。脅威の根本が経済要因ではないにもかかわらず、FRBは次回の連邦公開市場委員会(FOMC)を待たず利下げに踏み切った。展開しつつあるショックに先手を打つための緊急措置だった。FRBがFOMC会合以外で急きょ利下げを実施した例は1998年以降で他に6回ある。いずれのケースでも、次回会合で追加利下げを決めている。