比較しても何もいいことはない
今、年間300~400組の学生が学長室に遊びにきますが、実は、「誰でもきていいよ」といっているので、保護者のみなさんもたくさん来られます。
親御さんの相談は、だいたい次のことです。
「どのように子どもを指導したらいいのでしょうか?」
僕はいつも3つのことを話しています。
第一は、子ども同士、比べないでくださいということ。
人間はみんな顔が違うように、能力も考え方も全部違います。
普通とか平均はない。
普通や平均は、製造業の工場モデルの考え方です。
製造業の工場では均質な労働力が必要とされるので、日本の戦後復興期にはそれでよかった。でも、今はアイデア勝負の時代ですから、平均や普通といった概念そのものが不要なのです。
お父さん、お母さん、絶対にお子さまを誰かと比べないでください。
あなた自身、子どもの頃、比べられて、楽しかったですか?
人間はグラデーションの組合せでできているので、そもそも普通とか平均はないのです。
だから、絶対に、子どもを比べないでください。
続きは次回にしましょう。
過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。