新型コロナウイルスの感染は見る見るうちに世界に広がり、家庭や企業、投資家、各国政府に不意打ちを食らわせた。一方で、感染を専門とする医療関係者やエコノミストは、世界的な拡大は全く驚きではないと指摘している。ここ四半世紀に、感染症の流行は世界中でありきたりの光景になってきた。専門家によると、都市化現象やグローバリゼーション、そして社会が豊かになるにつれて動物性タンパク質の摂取が増えるといったトレンドもその背景にある。専門家はまた、人々がさらに多くの感染流行に備える必要があると指摘している。ワイオミング大学カレッジ・オブ・ビジネスのエコノミスト、デービッド・フィンノフ氏によると、パンデミック(世界的大流行)調査では、世界的な疾病流行は1世紀の間におよそ3回発生するというのが従来の経験則だった。今世紀に入りこれまでに、世界はすでにウイルス流行の危機に幾度もさらされてきた。2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、09年の豚インフルエンザ(H1N1型インフルエンザ)、12年のMERS(中東呼吸器症候群)、14年および16年のエボラ出血熱、15年のジカ熱、16年のデング熱などだ。
発生頻度高まるウイルス流行、社会的変化で常態化も
有料会員限定
あなたにおすすめ