米ゼネラル・モーターズ(GM)は先週、「バッテリーに本腰を入れる」と述べた。他の大手自動車メーカーも同様だ。だが投資家は数年先まで見返りは得られなさそうだ。ここ数カ月、世界の大手自動メーカーが相次いで米電気自動車(EV)大手テスラに倣い、バッテリーへの巨額の投資に乗り出している。それは電気自動車(EV)のサプライチェーン(供給網)で鍵を握る要素だ。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がネバダ州の巨大なバッテリー生産工場、通称「ギガファクトリー」でパナソニックと手を組んだように、旧来の自動車メーカーも専門知識を持つパートナーに頼っている。独フォルクスワーゲン(VW)は昨年9月、ドイツでのバッテリー工場建設に向け、元テスラ社員2人が創業したスウェーデンの新興企業ノースボルトと合弁会社を設立した。GMは昨年12月、韓国のLG化学と共同で米オハイオ州に23億ドル(約2400億円)かけてバッテリー工場を建設する方針を明らかにした。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と経営統合で合意した仏PSAは1月、仏石油大手トタル傘下の産業用電池メーカーのサフトと共同で、向こう10年かけてフランスとドイツでセル生産に55億ドル投資すると発表した。トヨタ自動車は2月、パナソニックと合弁会社を設立し、パナソニックの日本と中国の工場でバッテリーを生産すると明らかにした。
テスラに倣う自動車大手、電池生産に本腰入れる訳
EVを手頃な水準にするには、バッテリー生産を自ら手掛ける以外に手はない
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