新型コロナ発暴落相場に必要な中国の「超監視策」以外の解決法
中国の上海駅出口で防護服に身を包む職員(3月7日撮影) Photo:Yifan Ding/gettyimages

 2年前に欧米では次のような議論が活発だった。「利下げ余地がFRB(米連邦準備制度理事会)にはわずかしかなく、ECB(欧州中央銀行)や日本銀行にはほとんどない。この状況でグローバルな景気後退がやって来たら、世界経済は困難に直面する恐れがある」。

 当時は“先行きの可能性”としての懸念だったが、新型コロナウイルスの登場で突然目前に迫ってきた。FRBは3月3日に0.5%の緊急利下げを決断したが、市場の混乱は続いている。

 クレジットスプレッドの拡大を早期に抑え込む意図もあったようだが、緊急利下げ後もハイイールド債と米国債の利回り差は拡大。低格付け企業への資金の流れが悪くなり始めている。

 人々が自信を取り戻すには、ウイルス感染のピークアウトなど「リアルな面での改善」が必要だ。それがないままにFRBが利下げを続けても穴が開いたバケツに水を注ぐようなもので、早々にゼロ金利に到達してしまう恐れがある。

 そうなればFRBはどうするのだろうか? 昨年11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論によると、マイナス金利政策は副作用が大きいため見送るもようだ。ゼロ金利が当面続くことを市場に示唆するフォワードガイダンスと、大規模証券購入策(量的緩和=QE)で長期金利の押し下げを狙うという。中期金利に誘導目標を設定しながらQEを行う可能性もある。

 しかし、2010年のQE2開始時や12年のQE3開始時に比べると、現在の長期金利や中期金利は圧倒的に低い水準にある。既に低い金利をさらに押し下げても景気刺激効果は限られる。