「おじさん構文」が話題となっている。何かにつけて「おじさん構文」は悪者にされ、嘲笑の的となる。でも本当に悪いのは構文なのだろうか。構文を使ってセクハラをするおじさんだけが悪いのではないのだろうか。(取材・文/フリーライター むらたえりか)
父が送ってくれた
メールに驚いた
わたしがまだ高校~大学生だった2000年代、父が送ってくれたメールに驚いた。文末には一文ごとに絵文字が1~2つ並び、とてもカラフルだ。動く絵文字が登場してからは、父からのメールはさらににぎやかになっている。
「今、駅に向かっているよ~(車の絵文字)(にっこりマークが揺れる絵文字)」
「体に(筋肉の絵文字)、気をつけてな~(赤いびっくりマークが並んだ絵文字)」
「京都に、桜(桜の絵文字)を見に来ているよ(カラフルな音符が飛び交う絵文字)」
(※父からのメールを元に、筆者が作成した例文)
普段わたしと話すときはあまり面白くなさそうで、笑顔の印象がほとんどなかった父。そんな父からにっこりマークが揺れる絵文字が届いたときは、あまりのギャップに反応に困った。しかし、年に数回のメールのやり取りが15年ほど続き、いつの間にか、そんな父からのメールがチャーミングだと感じるようになっていた。いまでは、返信にどんな絵文字を使ってくれるのか楽しみですらある。