リクルートが「美容医療」ビジネスに参入した。今年3月16日、美容関係の検索・予約サービス「ホットペッパービューティー」内に美容医療のジャンルが登場したのだ。背景にあるのは、若い世代の「美容整形」に対する意識の変化である。リクルートの登場に、美容医師の反応はいかに。特集『美容医療 美は金で買える』(全8回)の#4では、リクルートのビジネスモデルとクチコミが美容業界に与える影響をレポートする。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
個人経営の歯科クリニックにまで営業
リクルートが「美容医療」に参入
「こんな小さな歯科にも営業が来るなんて」――。
埼玉県で自費診療の歯列矯正などを手掛ける個人歯科クリニックに勤める歯科衛生士は、驚きの声を上げる。2019年11月、リクルートホールディングスの傘下企業リクルートライフスタイルの営業マンから、「ホットペッパービューティーに掲載しないか」と連絡があったからだ。
リクルートが美容医療の分野に参入した。リクルートライフスタイルが運営する検索・予約サービス「ホットペッパービューティー」に、今年3月16日から「美容医療」のジャンルが登場したのだ。
ホットペッパーは、ヘアサロンやネイルサロン、エステティックサロンなどの予約ができるサービスで、年間予約数は約1億1400万件。この強力な集客装置に、新たに美容医療のカテゴリが加わるのだ。
「サロンのブッキングビジネスとして事業領域を広げるため、3年前から慎重に検討していた」と、リクルートライフスタイルネットビジネス本部ビューティ事業ユニットの中村隆之ユニット長は話す。
美容医療に手を伸ばしたのは、成長市場と見込んだからだ。医療脱毛などライトな美容医療の登場など、業界の変化も後押しした。
またホットペッパーのユーザーのうち、エステティックサロンの常連客は、美容クリニックに通う傾向が強いことも、利用者へのヒアリングで把握していた。加えて、美容医療に関して「ちゃんと選べるサイトがない」というユーザーからの要望もあったという。
満を持して登場するホットペッパーの美容医療。その全容はいかなるものか。