住みたい街の条件は
「センスが良い」「教育・子育てしやすい」

 今回のランキングでは、都市の人気が高いことが見て取れるが、具体的にはどのような要素が居住意欲度に大きな影響を与えているのだろうか。

 同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、「『デザイン・センスが良いまち』『教育・子育てのまち』という2つのイメージは、居住意欲度に与える影響が大きい」と語る。

 今回の調査では、各地域がどのようなイメージを持たれているのかについても30の項目を挙げてアンケートを行っている。そこで、調査対象になっているおよそ1000の市区町村の「街のイメージ」と「居住意欲度」を重回帰分析したところ、「デザイン・センスの良さ」「教育・子育て」のイメージが居住意欲度に最も大きな影響を与えていることがわかったのだ。

「よく自治体が『スポーツのまち』『健康増進・医療福祉のまち』『環境に優しいまち』などをうたっているが、実は居住意欲度に与える影響はほとんどない。もし『住みたい』と思う人を増やしたいなら、『デザイン・センスの良さ』や『教育・子育て』に力を入れていることをアピールする方が圧倒的に効果的だろう」(田中社長)

 実際に「デザインやセンスの良い地域・まち」のイメージがある地域を聞いたランキングで、上位に入った都道府県と市区町村を見ていこう。都道府県では、1位東京都、2位神奈川県、3位兵庫県、4位京都府、5位福岡県となった。市区町村では、1位神戸市、2位横浜市、3位港区、4位渋谷区、5位芦屋市だった。いずれも「住みたい都道府県&市区町村ランキング」で、上位にランクインしている顔ぶれだ。

 一方の「教育・子育ての地域・まち」のイメージがあるのはどこなのか。都道府県では、1位埼玉県、2位東京都、3位神奈川県、4位兵庫県、5位秋田県だった。市区町村では、1位文京区、2位国立市、3位世田谷区、4位練馬区、5位国分寺市になった。

「住みたい都道府県」47位の秋田県が上位に入るなど、「教育・子育て」のイメージがあるトップ5の自治体は、必ずしも居住意欲度が上位の自治体と一致していない結果から、田中社長は以下のように語る。

「自治体の外に住んでいる人からの居住意欲度を上げるには、『教育・子育てのまち』のイメージだけでは不十分で、やはり『デザイン・センスが良い』のイメージがカギになる。だが、『教育・子育て』は若い世代を呼び込むのに必須の施策。両方のイメージを向上させれば、結果的には居住意欲度だけでなく住民の住み続けたいという定住意欲度を高めることにもなるだろう」

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)