米連邦準備制度理事会(FRB)は正式に使い果たしてしまった。米経済の救済は今後、FRB以外の誰かに委ねられることになる。FRBは15日、新型コロナウイルスの感染拡大を発端とする経済危機に対処するため、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%に引き下げると発表。伝統的な金融政策手段として残る「最後の弾」を放った。FRBは2008~15年にも事実上のゼロ金利政策を導入していた。だが今回は、ゼロ金利から脱却する見通しは一段と不透明だ。なぜなら、パンデミック(世界的大流行)による短期的な経済への衝撃が、世界の物価や金利を一段と下押しするためだ。FRBは再び緊急利下げに踏み切ったことにより、政策金利を長期にわたりゼロかマイナスに張り付けている欧州中央銀行(ECB)や日銀の仲間入りを果たした。これはまさに、ハーバード大学のエコノミスト、ローレンス・サマーズ氏が呼ぶところの「金融ブラックホール」だ。
米経済は「ブラックホール」に、手段使い果たしたFRB
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