もはやデジタルコンテンツは「プロモーションメディア」だ。現代はデジタルの力で「流行」が簡単に起きるようになり、その価値は下がっている。ちょっとした流行は、日々そこら中で起きている。「流行の維持」は格段に難しくなった。

 常時レッドオーシャンのようなキャラクター世界で、ユーザーの関心を集め続けるためには、コンテンツを提供し続けることが必要だ。とはいえアニメもゲームも、制作には億単位の費用がかかる。こうしたメディアは高頻度で展開できない。それに「代わる何か」でサービスを提供し続けるチャネルを考えなければならない。

 タレントがSNSで毎日コンテンツを発信し、定期的にイベントを行うことで共体験を生み出す。あるいは商品化グッズでユーザーの世界を固め、毎日のようにそのコンテンツを想起させる――こうした構造を形成しなければ、継続性の高いコンテンツにはならない。総合力がなければ、いまのコンテンツの世界では勝負できないのだ。

◆「オタク」の支えるキャラクター経済圏
◇人はお祭り騒ぎを求めている

 ヒット商品の本質は、その商品の機能そのものではなく、「ヒットしており、周囲が消費している」という事実だ。まわりが消費していれば、それはヒットしていることになる。

 人は常に「みんなで集う何か」を求めている。みんなお祭り騒ぎが好きなのだ。そういう意味で注目したいのがライブコンテンツである。ライブコンテンツは、同じものを同じ時間に同じように体験する。そしてその規模が大きくなるほど面白さも広がる。集団がひとつになって動くことそれ自体に快感があるからだ。

 注目したいのが、お祭り騒ぎは「ブランドへの再結集」という回帰的な動きを見せるということである。集うものは、より多くの人が知っているものであるほうがいい。だから2010年代に流行しているキャラクターは、20世紀のマスメディア時代に生まれた古いものが多い。

 21世紀のトレンドは、3次元のインフルエンサーをベースにした2次元コンテンツによって生まれると予想される。かつてのテレビのように「誰もが見ている空間」を生み出すことは難しい。だからこそブランド化されたものをベースに新しい情報を提供していくこと、イベントなどの「場」を使って流行を可視化・体験できるようにすること、コンテンツを提供し続け関心をひきつけることが重要になる。

 こうした複数次元をまたいで総合的な活動を考案する「ライブコンテンツメーカー」が、新しいキャラクター経済圏を築くのである。