コロナショックで最も懸念されているのは中小企業の経営状況だ。そこで、特集『倒産連鎖危機』の#15では、中小8648社から回答を得た帝国データバンク集計の2月時点の景気動向調査について、業種別、都道府県別に詳しく見ていきたい。国内で起きている状況の把握につなげよう。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
中小企業8648社の回答を基にした
2月の景気動向調査を分析
コロナショックの影響に関し、特集#6『コロナショックで時価総額が吹き飛んだ10業種200社ランキング』で東京証券取引所第1部に上場している大企業の状況を、喪失時価総額という観点から検証した。ただ、倒産や資金繰りの悪化にさらされる本丸は全国の中小企業である。
そこで、ここでは中小企業8648社から回答を得た、帝国データバンク集計の2月の景気動向調査について、業種別・都道府県別に詳しく見ていきたい。総回答数に占める中小企業の割合は80.8%である。調査したのは2月14~29日。この期間は、政府が休暇取得やテレワークの推進に協力するよう企業に呼び掛けたり、大規模イベントの中止や延期、小中学校と高校の臨時休校を要請したりした時期と重なっている。
景気動向調査の数字は2種類ある。企業の景況感を示す指数(景気DI)と、金融機関の融資姿勢を示す指数(融資姿勢DI)だ。それぞれ「非常に良い・積極的」から「非常に悪い・消極的」の7段階の判断に基づき算出。50が分水嶺で100に近いほど良く、0に近いほど悪い状況を示す。
それでは、景気DIと融資姿勢DIという二つの指数から、46業種・47都道府県別に「景気動向の悪化度」の詳細についてチェックしていこう。