新型コロナウイルスの流行で深刻な打撃を受けているイタリアでは、1カ月にわたる封鎖措置により感染ペースは鈍化しているものの、経済は息も絶え絶えの苦境に追い込まれている。製造業にとって3月は統計開始以来、最悪の落ち込みとなった。業界は、早期に操業を再開しなければドイツなど外国勢に顧客を奪われると政府に訴えている。2つの世界大戦を乗り切ったレストランでさえ廃業の危機にひんしている。農業セクターでは、主に国外から20万人以上の季節労働者を確保できなければ、今が収穫時の野菜や果物は畑で腐り始めてしまうだろう。イタリアはコロナ感染の抑制では進展を見せている。集中治療室の患者数は先週終盤にピークに達して以降、ここ数日は減少傾向にある。1日当たりの死者数も減ってきた。だが、新規感染者の封じ込めまでにはまだ道のりは遠い。そのため、社会的交流の制限措置を政府がいつ緩めるのかは不透明なままだ。イタリアは欧米諸国の中でも最も厳しい封鎖措置を実施している。
苦しむイタリア経済、都市封鎖の負担ずしり
企業や店舗は生き残れるか
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