世界最大のクルーズ船運航会社である米カーニバルは3月半ば、ハゲタカに取り囲まれていた。新型コロナウイルスの感染拡大で事実上休業を余儀なくされ、早急に多額の資金を必要としていた。金融市場が凍りついてしまったため、幹部はヘッジファンドのグループから高い金利で借り入れることを検討せざるを得なくなった。このグループは自身を「コンソーシアム」と呼んでいた。  関係筋によるとこのグループにはアポロ・マネジメント・グループやエリオット・マネジメントなどが含まれていた。こうした投資会社は経営不振の企業の債券に投資し、融資先企業を買収することもある。  だが3月23日に状況は一変した。