厚労省が発表した2018年の「人口動態統計」によると、年間の死者数は136万人を超え、戦後最多を記録した。葬儀の件数も当然増加しているが、葬儀の形式は多様化の時代を迎えている。そして昨年、駒草出版から出版された『DIY葬儀ハンドブック』は、これまでの葬儀概念を覆す存在になりつつあるという。(清談社 真島加代)

専門業者とDIYの
“ハイブリッド葬儀”が理想

DIY葬儀では、僧侶との交渉もポイントになります。
どこまでを葬儀社に任せるか、また、菩提寺との関係性などによって、葬儀代金は大きく変わってくる Photo:PIXTA

 近年耳にする「DIY」という言葉。専門業者の手を借りず“自分で行う”ことを意味する「Do It Yourself」の略語であり、DIY家具やDIY結婚式など、さまざまなモノやコトがDIYされている。そんななか、葬儀を自分の手で行う方法を記した『DIY葬儀ハンドブック』(駒草出版)が登場し、注目を集めている。

 同書には臨終時の対応や、遺体を自宅で安置する際に必要なドライアイスの量、葬儀社の選び方など、さまざまなテクニックが事細かにつづられている。

「DIY葬儀とは、その名の通り『できることを自分でやる葬儀』を指します。親の葬儀などで、いざ自分が喪主になったときに参考になるように、葬儀にかかる費用や段取りをなるべく具体的に紹介しています。DIYはしないまでも、葬儀社に法外なお金を請求されないように、事前に備える入門書としても活用できます」

 そう話すのは『DIY葬儀ハンドブック』の著者、松本祐貴氏。特に近年は、葬儀形式が多様化しているため「知識を身につければ、賢くお金を使って葬儀を行えるはず」と松本氏は話す。

「1980〜90年頃は『一般葬』と呼ばれる葬儀が主流でした。一般葬は大きな式場を借りて30人以上の参列者が訪れるため、費用も60万〜300万円と高額ですが、香典で費用の一部を補填できるのも特徴です。90年代頃には、心ある親族と仲の良かった友人だけが集まる『家族葬』が登場しました。通夜と告別式も行うので60万〜150万円ほどかかりますが、香典の収入は少ないので喪主の自己負担になります」