新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。子どもたちにとっても、これからはオンライン授業が広がるなど学習スタイルが変化し、社会に出るまでに習得すべき能力も、親の時代とはかけ離れて変化していくことが考えられる。そんな変化の激しい現代において「親は子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる人は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、生理学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり 』(加藤紀子著)にまとめた。
100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」も提示し、理屈だけでなく、実際に何をどうしてあげればいいのかということまで丁寧に落とし込んでいる。
「コミュニケーションの取り方」から「家での勉強のしかた」「遊び」「習い事」「ほめ方・叱り方」「読書」「英語」「スマホ対策」「ゲーム対策」「食事」「睡眠」まで、子育てのあらゆるテーマをカバーし、2020年現在において最も便利で役に立つ子育て本を目指した、新時代の「子育ての教科書」というべき1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を編集・抜粋して紹介する。

Photo by Adobe Stock

ただ責めても効果は薄い

 KDDIが2018年11月に行なった調査によると、小学生の携帯電話やスマホの所有率が、都市部では3年生を境に約半数以上にもなることがわかりました。

 2019年2月には文部科学省がこれまでの小・中学校への携帯電話の持ち込み原則禁止の方針を見直すことを明らかにしたので、今後はさらに低年齢化する可能性があります。

 ベビーカーに乗った幼児が親のスマホを手に遊んでいる光景は、いまや当たり前になっています。もはや幼い子どもにとっても、スマホは日常と切り離せない存在になりつつあります。

 子どもへのICT(情報通信技術)教育に詳しい和歌山大学教職大学院の豊田充崇教授は、スマホやゲームなどを遠ざけたり禁止したりする「制限」よりも、子どもたちの「判断力」を育成することが重要といっています。

 オンラインゲームをはじめ、ネット依存の治療と研究に取り組む国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長も、ネットに依存する子どもを一方的に責めたり、親の考えを押しつけたりするのではなく、本人が問題に気づき、変わる意欲をもてるようにうながす接し方が大切と呼びかけています。

 今回のコロナ禍で家にいる時間が増えた子たちは、どうしてもスマホを見ている時間が増えていますが、「スマホのルール」はどうつくればよいのでしょうか。

メリット・デメリットについて書き出す

 スマホについて、「友だちと連絡が取りやすい」「わからないことがすぐに調べられる」といったメリット、「目が悪くなる」「勉強の邪魔になる」「返事がめんどくさい」といったデメリットを、親子で話し合って書き出します。

 メリットと思えることでも、じつはデメリットの引き金になっている場合も多いことに気づかせます。

親子で「利用時間」を決める

 親子でスマホの利用時間を毎日記録してみます。そして、平日と休日に分け、それぞれ「何時から何時までのあいだは使っていいか」「1日の利用時間は何時間にするか」を決めます。

「スマホを使う場所」や「使わない場合の置き場所」は、家族の目が届くところに決めます。

 子どもにはルールを課しつつ親は24時間使い放題という状態だと、子どもはルールを守る気になれないので、親子一緒にルールを守るようにします。守れなかったときは丸一日使用禁止にするなど、ペナルティもどうするか話し合って決めます。

「やってはいけないこと」を教える

 以下のようなルールをきちんと理解させます。

・ネット上に、名前や住所、電話番号、学校名やテスト、通知表など、個人が特定できるような情報は載せない。
・薬物や武器、自殺、暴力、大人向けのサイトは見ない。
・LINEやSNSなどで人の悪口や噂、不満などを書かない。
・SNSで自分や他の人の個人情報は送らない。

「取り引き」には応じない

 勉強することと引き換えに時間の延長を要求してきても、応じないようにします。また、親のほうも「ネットの時間を減らしたら〇〇を買ってあげるよ」といったかけひきはNGです。

 一度でも前例ができると、なしくずし的にルールを破ったり、要求がどんどんエスカレートすることになるからです。

 一方で、少しでも自分なりに管理できるようになれば、積極的にほめてあげることも重要です。

「フィルタリング」で子どもを守る

 まだルールの内容が完全に理解できない年齢では、ウェブサイトのアクセスを制限したり、アプリをダウンロードできないように設定できるフィルタリングサービスを活用します。

 フィルタリングをかけると使用が限られてしまうので、成長に合わせて制限をゆるやかにしながら、子ども自身の判断力を養っていきます。