「デジタル・デトックス」のすすめ

 樋口医師によると、一定の時間、スマホやパソコンなどのデジタル機器にまったく触れない「デジタル・デトックス」が注目を集めているそうです。

 デトックスとは「解毒」という意味で、ネットから抜け出してオフライン休暇を取ろうというもの。

 休みの日には親子でスマホやゲーム機を家に置いて自然の中で過ごすと、「五感をフルに使えて、ネットの呪縛から解き放たれる」と樋口医師は勧めています。

スマホ漬け、ネット依存のイヤな怖さとは?

 中高生になると、ネット依存で昼夜が逆転し、学校へ行けなくなるというケースも多くあります。

 オンラインゲームには依存させる仕掛けがあり、依存症になると理性をつかさどる脳の前頭前野の機能が低下していきます。この機能が落ちると、衝動や欲求のコントロールがますます難しくなるので、やればやるほど悪循環に陥ります。2019年には世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな疾患として認めています。深刻な状態なら、依存症を専門にする精神科を受診しましょう。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を編集・抜粋したものです)

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参考文献

豊田充崇「自覚を促すネット依存予防教育」(あなたの健康百科)
樋口進監修『ネット依存症から子どもを救う本』(法研)