中国人民解放軍の軍事医学研究院は今週、遺伝子技術を用いた新型コロナウイルスワクチンの開発で、臨床試験(治験)を実施する承認を得たと明らかにした。中国の製薬各社が国外で従来の手法によるコロナワクチンの治験を進める中、遺伝子技術を用いたワクチン開発は同国の医薬品業界にとって画期的な前進となる。軍事医学研究院によると、当局の承認を得たのはメッセンジャーRNA(mRNA)を使ったワクチンで、治験段階に到達したこうしたワクチンは中国では初めて。このワクチンは、コロナウイルスの表面にあるタンパク質に似たタンパク質を細胞に生成させ、これが免疫反応を引き起こし、本物のウイルスから体を守る仕組み。米バイオテクノロジー会社モデルナとドイツのバイオ医薬品企業ビオンテックは、それぞれ国内ですでにmRNAワクチン候補の治験を開始している。モデルナは、治験で初期の肯定的な結果が出たと明らかにしており、7月に第3相治験に着手する見通し。
中国、遺伝子技術でコロナワクチン開発へ 初の治験承認
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