さまざまな個性が総体(グループ)で輝くことの美しさ

 キング(ジャニー喜多川さん)を失くしたエンターテインメント業界も力をそがれた。

 それでも、たとえば、ジャニーズ公式Youtubeチャンネル(Smile Up!Project)において、KinKi Kidsの堂本剛さんが、筆で「心」の一文字をしたためるなど、コロナ禍の閉塞感を打ち消すために、人気アーチストやタレントがさまざまなメッセージやパフォーマンスを披露したことを記憶にとどめたい。

 ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川さんの遺志を継ぐように、総勢75人(グループ全15組)による期間限定ユニット「Twenty★Twenty」を結成し、チャリティーソング「smile」をCD先行配信するなど、エンターテインメントの光を放っている――そう、前稿(ジャニー喜多川さんの優れた「人材育成力」、V6を例に読み解く)で、“さまざまな個性がそれぞれの能力の最高値を見せながら総体で輝くことの美しさ”をV6(=ジャニーズ事務所所属グループ)が思い知らせてくれると書いたが、「Twenty★Twenty」はその真骨頂といえるだろう。

メンバーが誰一人欠けていないV6はデビュー25周年

 ダイバーシティ&インクルージョンマガジン「オリイジン」(年1回発行)の巻頭インタビューにもメンバーが出演するV6は、この激動の2020年にデビュー25周年を迎えた。

 四半世紀(25年)もの間、メンバーの誰一人欠けることなく、しかも、新曲を発表し続ける活動は特筆に値する。前稿のとおり、V6は、20th Century(トニセン=坂本昌行・長野博・井ノ原快彦、デビュー時平均年齢22.0歳/敬称略)とComing Century(カミセン=森田剛・三宅健・岡田准一、デビュー時平均年齢15.3歳/敬称略)という2つのユニットから形成された6人組のグループで、メンバー最年長の坂本昌行さんと最年少の岡田准一さんの年齢差は「9歳」もある。

 そうした彼らが、なぜ、ひとつのグループとして「長寿」を保っているのか?

「オリイジン」 誌のテーマに沿い、「ダイバーシティ&インクルージョン」の視点から考えてみよう。