中国の消費者は必要な買い物をほぼ全てスマートフォンで済ませる習慣が定着しているが、新型コロナウイルス危機がそのトレンドに一段と拍車を掛けた。ネットを通じた小売りは今や、大勢の巣ごもり消費者をとりこにする「ショー」に形を変えている。フー・チェンユアンさん(35)は今春、上海屈指の繁華街・静安地区で同業者が次々と店じまいするのを見て、自分も14年前に開いた衣料品店「DFブティック」をたたむべきかもしれないと覚悟した。今までオンライン販売を手がけたことはなかったが、iPhone(アイフォーン)を渋々ながら手に取り、欧州製の個性的な靴やブラウスの在庫品を試着して見せることを始めた。「オンラインしか道はない。そうしなければ生き残れなかった」と彼女は言う。
ライブ動画、コロナで中国小売業の「命綱」に
ストリーミングで商品紹介、密閉空間を嫌う買い物客への切り札
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