首都圏でコロナ感染が再拡大する中、緊急事態宣言が再発令されないとどうなるのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

再拡大する新型コロナ感染者数
政府は緊急事態再宣言に慎重

 首都圏の新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大に転じたことで、人の移動が増えれば感染のリスクも高まることが改めて示された。今後、ワクチンの開発には半年から1年ほどの時間が必要とされ、ワクチンの普及はその先となる。

 また、国内での新型コロナウイルスの抗体保有率が0.1%前後であること(厚生労働省「抗体保有調査結果」)を勘案すると、新型コロナウイルス感染の沈静化には、かなりの時間がかかると考えられる。

 ところが政府は、緊急事態宣言の再発令について慎重な姿勢を崩していない。感染者数が拡大している背景にPCR検査数が増加したことがあるほか、病床数に余裕があるなど、医療体制が危機的状況にないことが理由として挙げられるが、実のところは景気への配慮が強い理由と考えられる。

 政府が外出の自粛といった行動制限を再び要請すると、景気の悪化はより深刻なものにならざるを得ない。外出が控えられれば、飲食店や宿泊観光サービス業などは再び休業を迫られる。

 緊急事態宣言の後に急増した休業者が失業者に転じれば、日本の失業率は統計開始以来の最高記録(2003年の5.8%)を大幅に更新し、9.1%程度に達するとみられる。このため、全国で医療崩壊のリスクが相当程度高まらない限り、4月のような全国的な緊急事態宣言の発令は見送られると思われる。