急速充電器現在、全国約8000カ所に設置されている急速充電器。高速道路では、首都高速大黒サービスエリアで初めて設置された。ジャーガーランドローバー「I-PACE」広報車両の試乗時の様子 Photo by Kenji Momota

なぜ、電力全社参加のコンソーシアムなのか?
なぜ、このタイミングなのか?

「やはり、電動車普及の潮目が大きく変わったのは間違いない」――。

 東京電力のEV推進室に、筆者が過去十数年間にわたり、EV(電気自動車)などの電動車に関する取材で集めた資料を持ち込んで行った取材中、改めてそう思った。

 EV推進室は、東京電力ホールディングス執行役社長の直属組織として2019年10月に設立された、東京電力の電動車事業に関する司令塔だ。

 その東京電力と日本電信電話、日立、リコーの4社は2020年5月11日、企業・団体など、(この時点で)40事業者の賛同を得て、「電動車活用推進コンソーシアム」を設立した。40事業者には、大手電力の全社、自動車メーカーではトヨタ、日産、ホンダ、三菱、その他に電気、金融、保険などが含まれる。

 対象とする電動車とは、EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車。

 具体的な利活用では、各企業や団体が物流や従業員の移動に使う業務車両を指す。