新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

「自由な発想ができる子」の親がしている3大習慣Photo by Adobe Stock

「型」にはめない

 アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズは、「創造性とはいろいろなものをつなぐ力だ」といっています。

 技術がさまざまな教養と結ばれてこそ、我々の胸を高鳴らせるような結果をもたらすとの信念から、iPadやiPhoneが生まれました。ジョブズが重視したのは「リベラルアーツ」というもので、その起源はギリシャ・ローマ時代の「自由7科」(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽)にあり、専門や職業訓練とは別の豊かな教養のことを指します。

「型破りな発想」が求められるいまの時代、専門だけを極めるのではなく、これまでの教科や分野の枠組みを超えた幅広い教養を身につけることが重視されてきています。子どもを「型」にはめないようにするためには何を意識すればいいでしょうか?

【その1】命令形をやめる

「(あなたは)~しなさい」「~すべきだ(ではない)」という言葉を押しつけていると、子どもは自分で考えるのをやめてしまいます。こうした命令や禁止、制限するような表現は、「Youメッセージ」と呼ばれます。

 これに対して「Iメッセージ」は、自分の気持ちを伝えるものです。「僕は~だと心配だなぁ」「私は~だから安心したわ」といったふうに気持ちを告げられると、子どもはそれを助言として聞きつつ、自分の頭で考えることができます。子どもが自分で考え、行動できるようにするためには、命令形は逆効果です。

【その2】レッテルを貼らない

 たとえば算数のテストがよくなかったからといって、「私も苦手だったから私に似たのね」「わが家は全員文系だから」などとまわりから言われると、子どもは本当に「自分は算数が苦手だ」と思い込むようになります。これは、周囲の期待が低い場合、その期待通りにパフォーマンスが低下してしまうという心理学の現象で、「ゴーレム効果」と呼ばれるものです。

「~に向いている」「~は何の役にも立たない」などと決めつけるのも、子どもの視野を狭めることになります。

 一見、学校の勉強には関係がなかったり役に立たなそうなことでも、子どもが興味をもったり熱中していることには、口をはさまず見守るようにします。

【その3】子どもの選択を尊重する

 親の勝手な基準で子どもの選択肢を限定したり、親が代わりに決めてしまうと、子どもの隠れた可能性にフタをしてしまうことになるかもしれません。そもそも、親の判断が正しいという保証はどこにもないのです。

 今日どんな服を着るかといった些細なことから、どんなことをして遊ぶか、どんな習い事をしたいか、将来どんなことをやってみたいかなどまで、事の大小を問わず、ひとつずつ子ども自身で選ばせるようにします。その際、親ができることは、選択肢について案を出したり、調べたりしてあげることです。

 子どもの選択が親の期待通りではなく、想定の範囲からはみでてしまうと、親は否定したくなるものです。

 ですがそこで一歩ふみとどまり、それは「自分の考える枠からはみだしてほしくないというエゴではないか」と自分に問いかけてみます。

 もしかしたら子どもは失敗するかもしれませんが、失敗から学ぶことも成長の機会と考え、その選択を尊重します。

 失敗も含めたその経験が、子どものレジリエンスを育み、そして未来の可能性につながっていくかもしれないのです。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)