学園祭の定番イベント「ミスコン・ミスターコン」は昨今、ジェンダー的観点から廃止の動きが目立っている。その流れにあらがうかのように、今年、新たな形で開催されるミスターコンテストがある。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)でも、Xジェンダー(身体的性に関わらず、性自認が男性にも女性にも当てはまらない人)というわけでもないという「女性」がファイナリストに選抜されたのだ。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
時代にあらがう慶應?
それでも「ミスコン」を行う理由
40年近く前から、日本の大学祭では、「ミスコン・ミスターコン」が行われ、「女性アナウンサーの登竜門」としても話題を集めてきた。しかし昨今、ジェンダー的観点などからさまざまな批判を浴びたり、コンテスト出場者がやゆされたりして、廃止する大学が増えてきた。
そんな潮流の中、あえてコンテストを行う団体がある。ミスコンでは何かと話題になりがちな慶應義塾大学公認で、学生たちが主体で運営している「ミス・ミスター慶應SFCコンテスト」だ。ちなみに、「ミス慶應」については近年、主催団体やその関係者による不祥事が続出しているが、本記事で扱う団体はそうした不祥事とは無関係の別物である。
これまで「ミス・ミスター慶應SFCコンテスト」は、女性であればミスコン、男性であればミスターコンに出場することが大前提だった。
ところが、今年は「出生の性別を問わず、個別の判断でミス・ミスターのどちらに応募してもよい」となった。つまり、自分自身を男性と思っていてもミスに応募できるし、女性であってもミスターに応募できるのだ。「ミスコン・ミスターコンのどちらに出るかはそれぞれが決めてよい」という新しい試みに、なぜ今年挑戦したのだろうか。