渋谷駅前・スクランブル交差点
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 安倍晋三首相が退陣を表明したが、アベノミクスの期間に日本経済は停滞したため、日本の国際的地位が顕著に低下した。

 企業の利益は増加し、株価が上昇したが、非正規就業者を増やして人件費の伸びを抑制したため、実質賃金は下落した。

 その結果、「放置された低生産性と、不安定化した労働市場」という負の遺産がもたらされた。

日本経済の国際的な地位低下が
物語るアベノミクスの“幻想”

 アベノミクスとは何だったのかを考えるにあたって、一番簡単なのは、アベノミクスが始まった2012年と19年を比較してみることだ。

 第1に見られる変化は、世界経済における日本の地位が顕著に低下し続けたことだ。

 12年では中国のGDP(国内総生産)は、日本の1.4倍だった。ところが、19年、中国のGDPは日本の2.9倍になった。つまり、乖離が2倍以上に拡大した。