結婚式の2次会の服装も「カジュアル」はNG?

 また結婚式の2次会など、晴れを祝う席での「カジュアルで」というのは、欧米ではジャケット着用が基本です。もう一歩進めて考えてみれば、「堅苦しくない格好でお越しください」と言われたとしても、デニムなど普段着と変わらない格好は避けるのが正式です。

 華やかなお祝いの席、2人の門出を祝う特別な日に、あまりにもドレスダウンした人がいては、招待した側もがっかりするかもしれませんし、本人もその空間では浮いてしまいかねません。招待客の中にも、内心不愉快に思う人がいるかもしれません。

 このように、「人に迷惑をかけない」というのも、突き詰めれば、相手やその場への気配りのこと。つまり、一歩外に出たら、自分もその場の空気をつくる一員であるという認識を持つということが大切だということです。

 ですから、前述した高級レストランの「ジャケット着用、ノーネクタイお断り」という「但し書き」は、これだけ見るとこのお店は傲慢だと思うかもしれませんが、この本当の意味は、「あなたは他人に迷惑をかけない人間ですか」、「思いやりのある人間ですか」、「自分もこの場をつくる一員だという自覚はありますか」という問いかけなのです。

 一流レストランでは、カジュアルな服装は避ける、冠婚葬祭のときは敬意を表し、それにふさわしい装いをする……。これらの約束事は、人の行動を制限することではありません。そこに集うあらゆる人の気持ちを考え細やかに気を配る、思いやりの心です。そして、もちろんこれは一例であり、人に迷惑をかけないという「気配り」はあらゆる場面で、「困った人」にならないためのキーワードです。


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