今年は暑い夏になるのでしょうか――。

 35度を簡単に超える酷暑になれば、節電されたオフィスで仕事をするのは非常に辛いもの。そこで今年は、“例年以上の暑さ”対策として、職場でもカジュアルで過ごしやすい服装「スーパークールビス」が奨励されています。

 例えば、ポロシャツをビジネス用に改良した通称「ビズポロ」。ポロシャツの生地をワイシャツ風に仕立てた服装で、普通のポロシャツより襟元がしっかりしているため、ネクタイを結ぶこともできます。

 こうした新しい服装が提案されはじめていますが、夏の職場においてこのドレスコードは定着するのでしょうか。そして、この変化は職場で新たな波紋を生み出さないでしょうか。6月から解禁されたばかりですが、すでに起きている問題点から「スーパークールビズ」をめぐる職場のギャップについて考えてみましょう。

サマータイム導入、土日出勤、照明消灯…
各社が続々打ち出した「節電対策」

 もはや2011年の流行語大賞になってしまいそうなキーワード「節電」。その節電を最も強いられることになりそうなのは、電力需要のピークを迎える真夏です。冷房などによる消費で首都圏が電力不足に陥るのは明らか。そこで政府は出来る限りの節電を企業や家庭に呼び掛けています。ただ、35度を超える酷暑にどう対処するのか、企業も家庭も頭が痛いところ。特に大手企業などは25%程度の削減目標を掲げていますから、その対策は一層悩ましいことでしょう。

 ところが、実際にはすでにいろいろな対策が施されはじめています。セブン-イレブンでは「店内照明・誘導看板のLED化」、ソニーではオフィスの就業時間を早める「サマータイム導入」、健康食品・医薬品のネット通販大手ケンコーコムは、本社機能の一部を東京から福岡に移転する大英断。さらに日本コカ・コーラ は「自動販売機の照明を24時間消灯」など様々な努力を行っています。また、メーカーの工場だけでなくエヌ・ティ・ティ・ドコモのようにホワイトカラー部門の社員の休日を「土曜日と日曜日」から「月曜日と火曜日」に変更する企業も登場しました。

 取材したシステム会社では、社長の号令で「会議室の蛍光灯を半分外す」「室内温度は28度で固定」などの対策をしていました。少々の不都合を我慢せよと考えから行われているもので、社員は少し厳しい職場環境を強いられることになったかもしれません。ですが、こうした努力が企業や家庭に目標として掲げられているマイナス15%につながることでしょう。