日本銀行Photo:PIXTA

FRBが「平均インフレ目標」
ゼロまたはマイナス金利は長期化

 米連邦制度理事会(FRB)は、政策運営の見直しに関する検討の結果として「平均インフレ目標」の採用を決めた。

 つまり、インフレ率が2%目標を下回って推移した場合、その後の一定の期間はインフレ率が目標を上回っても金融引き締めを行わないことになる。

 FRBによる前回(6月)の見通しによれば、2022年末に至ってもインフレ見通しの達成は困難とみられるだけに、利上げはさらに将来へ先送りされたわけだ。

 この決定にも金融市場の反応が限定的に止まった要因の一つは、先進国ではゼロまたはマイナスの政策金利が中期的に維持されるとの見方が既に支配的になっているからだろう。

 欧州中央銀行(ECB)や日本銀行(日銀)も、自ら公表している見通しによってインフレ目標の達成には相当な時間を要することを認めている。

 政策金利がない世界がしばらくは“新しい日常”というわけだ。