ただ秋の花粉症の主役はブタクサ、ヨモギだ。日本全国いたるところで見かけるありふれた植物で、9~10月に飛散のピークを迎える。

 ブタクサはキク科の一年草で、北アメリカ原産の外来種。同じく外来種のセイタカアワダチソウによく似た黄色くて小さな花を大量につける。日本では花粉症といえばスギ、ヒノキ花粉症が圧倒的だが、原産地である北米大陸では花粉症といえばブタクサがメインで全人口の5~15%がブタクサ花粉症との統計があるという。

 一方のヨモギはキク科の多年草で、日本全国に自生している。清らかな香りがあり、春の地表に生える若芽は草餅にも使われる。お灸のもぐさや漢方の原料にもなるほど利用価値が高い、愛すべき植物なのだが、初秋になると地味な花をつけ、風媒花のため多量の花粉を飛ばす。花粉症がある人にとってはやっかいな植物なのである。

 ネットではよく、カナムグラも紹介されている。アサ科(以前はクワ科)カラハナソウ属つる性の1年草で、万葉集でも詠まれているほど昔から生息している。長くつるを伸ばし周囲に縦横無尽に絡みつくため、除去するのはかなり困難で、一度発生すると辺り一面を覆ってしまうほど繁殖力が強い。つる状の茎には鋭いトゲがあるので腕や脚で直接擦ると刺さって痛い目にあう。ただし、患者の数はあまり多くはない。

土手のランニングに注意
アナフィラキシーの危険も!

 日に日に秋が深まる時期は気温の変化が大きく、空気も乾燥してくるため風邪を引きやすい。くしゃみや鼻みずが出ると、最初に疑うのは風邪だが、秋の花粉症の可能性があることも忘れないようにしたい。スギ・ヒノキよりも粒子が小さいブタクサの花粉症では、気管支に花粉が入り込んで喘息のような症状が出ることもある。そのためブタクサは別名「喘息草」と呼ばれているほどだ。むろん、新型コロナも心配だ。熱もないのに咳が続くときは自己判断せず、病院を受診しよう。