保健当局や病院、製薬会社は新型コロナウイルス予防ワクチンを安全な「秘密の」場所に保管し、差し迫る脅威から守るための措置を検討している。その脅威とは、盗難だ。有望なワクチン候補の開発が進む中、ファイザーなど各社は配送状況を追跡する衛星利用測位システム(GPS)ソフトウエアを導入し、犯罪者たちをけむに巻くためのおとりトラックの活用も計画している。光ファイバー・液晶用ガラス基板大手の米コーニングは、ブラックライトを照射して確認する偽造防止マークをバイアル(小瓶)に装着。さらに、ワクチン投与の先陣を切るとみられる病院では、院内薬局のセキュリティーを強化している。その目的について、業界関係者や保険当局者は、プロの窃盗団からワクチンを守るためだと語る。窃盗団は以前から、高価な医薬品を狙ってきた。新型コロナ感染が拡大した間にも、検査キットやマスクなどのPPE(個人用防護具)が被害に遭っている。
ワクチンを犯罪集団から守れー「おとり車両」など秘策も
有料会員限定
あなたにおすすめ