中国ではここにきて、新型コロナウイルス禍による影響で「持てる者」と「持たざる者」の格差が広がっている。社会不安につながれば、これまで想定を超える回復を遂げている景気の腰も折りかねない。米国と同じように、中国でもコロナ流行による高所得層の雇用への影響は軽微にとどまった。しかも、彼らが保有する株式や不動産は値上がりが続いている。一方で、何億人もの低所得層は失業や収入減で今も苦しんでおり、あてにできる生活保護措置も、保有資産もほとんどない。オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、トミー・ウー氏は「米国と同様、中国経済も『K字』型の回復軌道にある」と指摘する。「コロナ禍が中国で貧富の差を広げたのは間違いない」
コロナ禍が広げた貧富の差、中国経済に重い代償
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