ジョージ・W・ブッシュ元大統領とバラク・オバマ前大統領はそれぞれ中東を変えようと試みたが、両者とも望んだ成果を収められなかった。米国がこの地域での足跡や野望を後退させる中、中東は自力で変わり始めた。変貌を遂げつつある最新の兆候の一つは、サウジアラビアのバンダル王子がパレスチナの指導者に対し、何十年にもわたり失策を続けたと痛烈に批判したことだ。その言葉を裏付けるように、サウジは自国の空域をイスラエルのテルアビブとアラブ首長国連邦(UAE)ドバイを結ぶ商業航路に開放することを決めた。ユダヤ人国家のイスラエルを認めなかったUAEが一転して国交を正常化し、経済関係の構築に動き出したのだから、中東が過去の不毛な争いと決別し、真に新たな局面に向かっているのは明らかだ。