われわれは4年前に「ドナルド・トランプ氏がもたらすものは政治的混乱だ」と書いた。そしてトランプ政権は、善かれあしかれ、まさにそれをもたらした。同氏の政策と従来の慣例からの脱却は、必要とされていた多くの事柄を実現させた。しかし分断を助長するような統治手法と、人格上の問題点は、今回の選挙での敗北につながる恐れがある。対抗馬である民主党のジョー・バイデン候補の選挙キャンペーンのテーマは突き詰めると「私はドナルド・トランプではない」というものだ。トランプ氏の大統領としての評価のこうした2極分化は、最近のギャラップ社の世論調査に集約されている。同調査では、4年前よりも生活水準が向上したとの回答が56%に達した。これは1984年に再選を目指した際のロナルド・レーガン氏(44%)、2004年のジョージ・W・ブッシュ氏(47%)、2012年のバラク・オバマ氏(45%)に対する同様の回答の比率を上回っている。ここに挙げた3氏は全員、大統領再選を果たした。