菅政権の誕生で、安倍政権時代以上に影響力が増すとされる創価学会とは対照的に、影が薄くなっているとされるのが神社本庁の政治団体、神道政治連盟だ。また、菅義偉首相と神政連の会長で神社界のドンといわれる打田文博氏が権力への階段を上り始めた裏に、ある1人の男の存在があったことはあまり知られていない。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の#13では、前政権の飛翔を支えた右側の翼、神政連の憂鬱を描く。(ダイヤモンド編集部 「創価学会特集取材班」)
中曽根元首相の合同葬儀の日程に
神社界や保守系団体が怒りの声
「神道政治連盟(神政連)は、一体何をやっていたのか」――。
その“一報”を聞いた際、自民党のある有力国会議員は、そうあきれたという。
神政連とは2019年に設立50周年の節目を迎えた、全国8万社近い神社を包括する神社本庁を母体とする政治団体だ。
「神道精神を国政の基礎に」を合言葉に、自民党、また安倍晋三前首相との関係の深さが、かねて指摘される神政連。実際、その活動を支持する国会議員連盟、「神道政治連盟国会議員懇談会」には、自民党を中心に衆議院議員223人、参議院議員78人の合計301人の国会議員が所属する(20年12月時点)。
そして、その国会議員懇談会会長は安倍氏だ。安倍氏は首相辞任から程なく、神政連会長で“神社界のドン”と評される打田文博会長と、ごく少人数の会食を共にしていることからも両者の親密さがうかがえよう。もちろん、安倍前政権と同様、菅政権の閣僚も、この国会議員懇談会に所属する議員が大半を占めている(詳細は、次ページ図参照)。