創価学会 90年目の9大危機#11Photo:Diamond, Santiago Urquijo/gettyimages

縮む“国内市場”からの活路を海外に見いだすのは宗教法人も同じ。創価学会は2017年、新たな最高規約、会憲を制定した。独立色の強い各国の創価学会インタナショナル(SGI)を傘下組織とし、会員数を伸ばす。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の#11では、この中央集権化の裏で生じる歪(ひず)みを見る。(ダイヤモンド編集部「創価学会特集取材班」)

信濃町を「世界総本部」に
創価学会の目指す世界宗教化

「池田先生は、創価学会の本地と使命を『日蓮世界宗創価学会』と揮毫されて、創価学会が日蓮大聖人の仏法を唯一世界に広宣流布しゆく仏意仏勅の教団であることを明示された」

 2017年11月、創価学会は新たな最高規約、「会憲」を制定した。その前文では冒頭のようにうたわれ、池田大作氏の「信濃町(編集部注:東京にある学会の本拠地)を『世界総本部』とする壮大な構想」として、世界宗教化への企図が示された。その証左の一つが、池田氏が揮毫した「日蓮世界宗創価学会」はとっくに商標登録済みということだ。

 実際、23世紀を目途とするこの学会の目標は、部外者には途方もない野心に見えるが、捕らぬたぬきの皮算用ともいえない。学会の「国際的機構」である創価学会インタナショナル(SGI)の海外会員数はこの4年間で、公称175.5万人から220万人へと大きく躍進しているからだ(地域別の数字を含む会員数は次ページ図を参照)。