創価学会 90年目の9大危機#14
Photo:Diamond, JIJI, Santiago Urquijo/gettyimages

新日本宗教団体連合会(新宗連)の中心的存在である「立正佼成会」。その次代会長である庭野光祥氏が、谷口雅宣氏が率いる「生長の家」に急接近中だ。再び反学会への機運が高まる可能性もある。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の#14では、『宗教問題』の小川寛大編集長がその内実を徹底解説する。

「左旋回している」と評される
生長の家・第3代総裁の谷口雅宣

 2017年1月のことである。筆者は、雑誌「SAPIO」(小学館、現在休館中)の取材として山梨県北杜市にある新宗教団体、生長の家本部を取材で訪れていた。

 生長の家は、保守系市民団体である日本会議の源流として知られる教団で、もともと極めて保守的な政治姿勢を持つことで知られた団体だった。しかし近年、生長の家は「左旋回している」と評されるほどの大きな方向転換を行っている。

 16年6月には、同年7月の参議院議員選挙において「与党とその候補者を支持しない」と表明。最近でも20年10月25日、菅義偉現政権が日本学術会議の人事に介入したとされる問題に関し、「真理探究への政治の介入に反対する」との意見広告を「朝日新聞」に掲載するなどしている。

 その方針転換の中心にいるとされるのが、生長の家第3代総裁、谷口雅宣だ。創始者の谷口雅春の孫で、08年に総裁に就任。熱烈な保守派だった祖父とは違い、リベラルな考えの持ち主であるともっぱらの評判で、環境保護活動などにも強い関心を示してきた。

 教団本部で筆者のインタビューに応じた雅宣は、立憲主義は非常に重要な考え方であること、冷戦崩壊後に従来の左右対立は意味を失ったことなどを語り、現在の生長の家の姿勢について、丁寧に説明してくれた。ただ、筆者の頭の中には、一つの疑問が浮かんで消えなくなった。インタビューの終盤、筆者は率直にそれを雅宣にぶつけた。

「生長の家として今後、新宗連(新日本宗教団体連合会)に復帰する考えはあるのでしょうか」

 詳細は後述するが、新宗連とは、創価学会以外の新宗教が加盟する“創価学会包囲網”といえる団体だ。