創価学会 90年目の9大危機#16Photo:Diamonnd,Santiago Urquijo/gettyimages

2020年10月、『池田大作研究』(朝日新聞出版)を上梓した知の巨人、佐藤優氏。創価学会名誉会長、池田大作氏について深く知ることが、「現下の日本と世界を理解する上で極めて重要だ」と説く。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の最終回では、佐藤優氏に、その真意を聞いた。(ダイヤモンド編集部「創価学会特集取材班」)

知の巨人である佐藤優氏が
『池田大作研究』を書いた理由

――2020年10月に600ページ近い大著『池田大作研究』(朝日新聞出版)を上梓されました。この書籍を書かれたきっかけは何だったのでしょうか。

 自公連立政権を担う公明党の支持団体である創価学会の会員は、法曹界や行政官、ビジネス、アカデミズムなどあらゆる分野にいます。にもかかわらず、彼ら彼女らがいったいどういう価値観を持っているのか、伝えるものがそう多くはありません。

 何より、20年は学会にとって特別な年です。11月18日に学会が創立90周年を迎えたのに加え、池田大作氏が第3代会長に就任してから60年目という節目の年に当たるからです。ですが、11月18日には、どの新聞もこのことを報じていません。これには首を傾げざるを得ません。

 なぜなら、現在、公明党は自民党とおよそ20年間にわたり、連立与党を組んでいます。そして、消費税率を10%に引き上げる際に食料品などへの軽減税率を適用する、コロナ禍で1人当たり10万円を給付するといった重要な政策において、公明党が大きな役割を果たしました。

 公明党がこうした政策を取る背景には、学会の価値観があるわけです。つまり、学会を知り、理解しなければ、日本の政治や社会を分析することはできないのです。ですが、なかなかいい文献がありませんでした。そこで、自分で書こうと思ったというのが最大の理由です。

――週刊誌「AERA」(朝日新聞出版)でも連載されていました。