熊谷亮丸Photo by Toshiaki Usami

菅政権が発足して約3カ月。デジタル庁創設や携帯料金引き下げを打ち出し、8日には最優先課題とする、政権としては最初の新型コロナウイルス経済対策をまとめた。だが、感染の再拡大で、政府は14日、Go Toトラベルの年末年始の全国一斉停止を決めた。経済の回復は時間がかかる見通しで「アベノミクスの継承」を掲げる菅首相がどういう経済社会を目指そうとしているのかは見えない。
経済政策のアドバイス役をつとめる内閣官房参与の熊谷亮丸大和証券専務・チーフエコノミストにスガノミクスの目指すところを聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部特任編集委員 西井泰之)

コロナ対策 Go To見直しは
実務的、現実重視の表れ

――第3次コロナ経済対策がまとまりましたが、これで感染防止と経済回復はできるのでしょうか。Go Toトラベルは新たに東京と名古屋の一部除外と、年末年始の一斉停止を決めました。

 コロナ対策は最初の生活支援の段階から、徐々にGo To事業などで経済回復を加速させる第2段階に移行してきた。だが、気温の低下などを背景に感染症が再拡大しているなかで、極めて慎重な判断が必要な局面が続いている。