高林孝光(たかばやし・たかみつ)
アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長
体のいたる所の骨が変形して生まれたコンプレックスから骨に興味を持ち「ほねつぎ」の道を志す。治療家(鍼灸師・柔道整復師)としてこれまで過去24年間に延べ10万人以上を施術。著者は、日々多くの患者を施術する中で、知らない間に手が短くなっている人がほとんどであることに気づき、「手を伸ばす健康法」を確立。日本では珍しい「手の整体」を求めて全国から患者が来院している。
バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ東京代表トレーナー、車椅子ソフトボール日本代表のチーフトレーナーを務めるなど、悩みを抱える多くのアスリートに「手を伸ばす」治療を行い、ケガを予防したり、成績をあげるなどの成果を出す。こうした豊富な経験をもとに、手を伸ばすメソッドを初公開したのが本書である。
日本テレビ系列「ヒルナンデス!」では、今話題の肩こり特集で全国の6人の治療家の1人に選ばれる。テレビ東京系列の「追跡LIVE! SPORTSウォッチャー」では、アスリートのケガに詳しい専門家として解説するなどメディア出演多数。
主な著書に『五十肩はこう治す!』(自由国民社)、『腱鞘炎は自分で治せる』(マキノ出版)などがある。

【著者からのメッセージ】

 しつこい肩こりや腰痛に長年悩んでいる人は少なくありません。「本を読んでストレッチをしたり、マッサージ院に通ったりしているのに、一向に改善しない!」とボヤく声もよく耳にします。

 でも、諦めないでください!
 肩こりの人が肩のマッサージをしたり、腰痛の人が骨盤の歪みを整えたりしても、なかなか治らないのは大事な視点がすっぽり抜けているから。

 まったく知られていませんが、実は慢性的な肩こりや腰痛などのからだの不調の原因は、手が縮こまって、短くなっていることにあります
 現代人の多くは、手が短くなっています。その短くなった手をすっきり伸ばさない限りからだの不調はなくならないのです。

 この本では、「1日7秒手を伸ばす」だけで、肩こりや腰痛といった慢性的なからだの不調を治す方法を紹介します

 7秒というとずいぶん短いと思われるかもしれません。本書で紹介する基本体操の「7回ぐるぐる腕回し」は、わずか7秒で1回の体操をすることができます。体操はとにかく「習慣」が大事です。できるだけ目標を小さくして、読者の皆さんに「習慣」を手に入れていただくために、あえて「1日7秒手を伸ばす」と本書ではうたっています。もちろん、7秒で終わることなく、「基本体操」から「応用体操」へと、いろいろな体操を続けていただければと思います。

 手を伸ばすだけですから、自分ですぐに行えます。
 短くなっている手を伸ばして、元通りにしてあげるだけで、整体やマッサージに通っても良くならなかった不調がどんどん軽くなってきます。本書ではわかりやすく、手を含めた腕を単に「手」と呼んでいます。

 マッサージや指圧にどれだけ通っても辛い肩こりや腰痛が治らない。手が冷たい、手の血管が浮き出ている……。そんな自覚症状があるなら、手が短くなっている恐れがありますから要注意です。
 なぜ手が短いと不調が起こり、手を伸ばすとそれが治るのでしょうか。
 それは全身の筋肉は、からだの深いところで、つながっているから。

 慢性的な不調の原因の多くは、筋肉にあります。なかでも鍵を握るのは、深いところにあり、マッサージや指圧などではアプローチできない筋肉、「インナーマッスル」
 不調に関わるインナーマッスルは全身にネットワークを広げています。

 手が短くなっているのは、大切なインナーマッスルが緊張して硬くなっている証拠です。手を伸ばすと、硬くなったインナーマッスルのネットワークが緩んで伸びるため、肩こりや腰痛といった慢性的な不調がウソのように軽くなってくるのです
 インナーマッスルに注目しないで、肩こりを治すのに肩だけ、腰痛を治すのに腰だけを外側からいくらストレッチしたり、マッサージしたりしても、良くならないのは当然。ストレッチやマッサージをしなくても、手を伸ばせば肩こりも腰痛も軽減するのです。

 ここで改めて自己紹介しましょう。
 私は、アスリートゴリラ鍼灸接骨院の院長をしている高林孝光。柔道整復師、はり師、きゅう師であり、治療家としてこれまで過去24年間に延べ10万人以上に施術をしてきた経験があります。

 私は日々多くの患者さんの施術をするなかで、知らない間に手が短くなっている人がほとんどだと気がつきました。
 そして手を伸ばす治療法を確立。多くの患者さんに指導を行い、長年の不調を根本から解決しています。
 悩みを抱えた人だけではありません。私はアスリートも多く指導しています。
 種目柄、手の障害が多いバレーボールのジュニアオリンピック東京代表トレーナーに抜擢されたこともありますし、車椅子ソフトボール日本代表のチーフトレーナーを任された経験もあります。多くの悩みを抱えるアスリートにも手を伸ばす治療を行い、怪我を予防したり、成績を上げたりするお手伝いをしています。

 私の治療院には、他の治療院や整形外科、マッサージ店やリラクセーション施設を次々とまわり、それでも治らない方が大勢いらっしゃいます。そういう方々は疲れて暗い顔をしています。
 私のところで手を伸ばす治療を受けると、どこに行っても良くならなかった不調が、ウソのように軽くなってきます。「手が短いのが原因だったんですね」と本当の原因がわかり、手を伸ばせば不調が軽くなると気づくと、それにつれて患者さんは明るい顔になり、笑顔が増えてきます。

「手を伸ばす治療」を世の中に広げて、慢性的な悩みで疲れて暗くなっている人をなくし、一人でも多くの方を明るい笑顔にしたい。それが治療家としての私の願いです。
『1日7秒手を伸ばしなさい』はじめに より一部修正して掲載)

本書の主な内容

こんなに変わった!手を伸ばす体操体験談 
◎フェンシング競技男子エペ日本代表・宇山賢さん、
◎ミスワールド2016日本代表・吉川プリアンカさん ほか 

早速実践!手を回して伸ばしてみましょう 
◎基本体操 7回ぐるぐる腕回し 
◎応用体操1 7秒キープ前ならえ
◎応用体操2 もっと手を伸ばしたい人のための体

Chapter1
手を伸ばすだけで、なぜ肩こりや腰痛がラクになるのか

◎外からはアプローチできない筋肉を伸ばせる。だから手を伸ばすのです手を回すと、縮こまったインナーマッスルにも
◎アウターマッスルにもストレッチ効果を発揮する
◎手の筋肉は脚よりもひ弱。だから緊張して短くなりやすく、肩こり・腰痛につながる手はもともと足だったから3つのバグがあり、短くなりやすいのです
◎世界でいちばん座っている時間が長い日本人は、世界一手が短くなりやすい?
◎IT業界では昔から注目される「ゴリラ腕」も手が短いのが原因です
◎アスリートたちとの出会いが私にヒントを与えてくれました

Chapter2
症状別に手を伸ばす健康法を紹介します

腰痛 原因がはっきりしない腰痛も手を伸ばせば軽くなります
肩こり 座りっぱなしで短くなった手を伸ばします
ひざ痛 太ももを鍛えつつ、ひざを伸ばせるようにします
疲れ 手を伸ばして呼吸と血液循環を活性化します
下腹ぽっこり インナーマッスルの腹横筋に注目します
不眠 睡眠不足という借金を溜めないように手を伸ばします
便秘 薬に頼る前に、手を伸ばして大腸を刺激しましょう
冷え性 筋肉量を増やさなくても、からだは温められます
眼精疲労 眼のまわりの筋肉にアプローチします
手の腱鞘炎 互いにリンクする3大腱鞘炎をケアしましょう