評価を上げた企業の二大特徴
「準備運動」と「反射神経」とは?

 このように上位には、新型コロナによって業績に大きな打撃を受けている企業もランクインするなど、一見、業種・業界にはあまり共通点がないように思える。では、「コロナ時代に社員の評価を上げた企業」にはどのような特徴があるのだろうか。

 オープンワークの大澤陽樹社長は、「新型コロナ対応では、売上偏重ではなく、従業員の命や健康を重視していたかどうかという、『経営者の覚悟』が社員からの評価に影響していた」と語る。

 その上で大澤社長がコロナ時代に評価を上げている企業のキーワードとして挙げるのが「準備運動」と「反射神経」だ。

「『準備運動』とは、コロナ前から従業員の声に耳を傾け、働き方改革にきちんと取り組んでいたかどうか。これができていた企業は、コロナ時代になってから、急激に組織を変化させる必要がなかった。そのため、テレワークにスムーズに移行できたなどの点で高く評価された。もう一つの『反射神経』とは、コロナの影響を受けて、感染防止対策を迅速に行ったり、新たにテレワークを導入したりするなど、すぐに対応したこと。こうした企業も、社員からの評価につながっていたことがクチコミからもうかがえる」(大澤社長)

テレワークを積極活用
働き方はより柔軟に

 それでは実際に、「コロナ時代に社員の評価を上げた企業」の社員クチコミを厳選して見ていこう。

【1位 野村不動産】

「今のコロナ問題によって原則仕事ができなくても、終日働いたことにしてもらえています。派遣さんを含めてです」(部長、男性)

「業種にもよるが、有休取得はしやすい雰囲気である。フレックス制度やテレワーク制度も整備されており、柔軟な働き方がしやすい風土になっている」(営業、男性)

【6位 日本航空】

「今はいろいろな制度が増え、乗務員数も増えたので有休も取りやすい。また7割、8割勤務などもあるので、自分に合った働き方が選べるようになってとても良いと思う」(客室乗務員、女性)

【9位 ヤマハ発動機】

「組織変更の頻度が高く、世の中の環境変化にもスピーディーに対応する意識も高い」(営業、男性)

「プライベート重視型の会社である。現在はコロナの影響によるテレワークが積極的に活用されている」(人事、男性)

【10位 クラブツーリズム】

「フレックスや在宅勤務で定時勤務の考えがなくなり時間の考え方が柔軟になった。自宅近くのオフィスで仕事ができる制度なども活用できる」(事務、女性)