「K字型」の景気が鮮明化する世界経済、日本の行方は?Photo:PIXTA

2021年の世界経済のキーワードは「K字型」
景気回復は二極分化する

 昨年(2020年)11月以降、新型コロナウイルスの感染再拡大と、変異種ウイルスの発生によって、世界的に経済の停滞感がますます強まっている。

 実体経済と比較すると、株式などの金融市場の動きはしっかりしている。ここへ来て、新型コロナのワクチンへの期待の盛り上がりもあり、世界的に株価が堅調な展開を示しているのである。その意味では、株式市場はワクチンへの期待が先行しているともいえるだろう。

 このような実体経済と金融市場の乖離のほか、もう一つ気になる「乖離」がある。

 特に、人々の移動=動線を基本とする、飲食・宿泊・交通・サービス業などの「非製造業」部門の景況感の回復に遅れが出ている。その一方、人の動線にあまり関係のない、情報や通信、それに関連する「製造業」の回復テンポは、相応の堅調さを維持している。「非製造業」と「製造業」とで、景況感に明確な違いが出ているのだ。

 急回復する「V字型」でも、ゆっくりと時間をかけて回復する「U字型」でも、回復できない「L字型」でもなく、回復の足取りがペースダウンしている「非製造業」と、明確な回復基調が続く「製造業」とが、あたかも「K」の字のように分岐・二極化している状況だ。