毛沢東時代の中国は、偉大な社会主義国の創造を若者に呼びかけるため、政治宣伝ポスターを活用していた。1989年の天安門事件以降、共産党は教科書を書き換えることで、自らの見解に基づく歴史を説き、欧米の思想から若者を引き離そうとしてきた。中国は現在、若者の再教育を目指すキャンペーンに着手している。ここ数十年で最も露骨なナショナリズム的メッセージを打ち出し、しばしば習近平国家主席の肖像を中心に据えている。それは過去の中国政府のいかなる試みよりも、はるかに洗練されている。ソーシャルメディアの巧みな動画は何百万回も再生されている。共産党機関が共同制作した人気動画シリーズ「イヤー・ヘア・アフェア(ウサギの年代記)」のあるエピソードでは、米国旗を着たハゲワシが、言葉を話すゴキブリと共謀して香港を大混乱に陥れようと画策する。そこへ愛らしい中国ウサギたちが登場し、ゴキブリを退治する--。