欧米の航空会社は新型コロナウイルス感染流行からの回復に何年もかかると予想している。そのため航空機メーカーは中国市場の回復力と成長の潜在力に依存する格好となっている。だが、航空宇宙分野での中国自身の野心と、それを取り巻く地政学的緊張は、乱気流をもたらすかもしれない。中国はコロナ禍から回復し、国内線の航空市場としては世界最大となった。コンサルティング会社オリバー・ワイマンの航空データサイト「PlaneStats」によると、旅客数は1年前から8%増加。これに対し米国と欧州は依然として、それぞれ41%と68%の減少となっている。向こう数年でさらに5億人の中国人が中間層に加わると予想される中、中国は航空業界にとって大きな成長機会ももたらす。国際航空運送協会(IATA)は2019年から39年までのアジア太平洋地域の旅客市場が年間平均5%拡大すると予想。成熟した欧米市場の成長は年間2.2%のペースになるとみている。
コロナ後の航空機業界、さらに高まる中国依存
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