大学生の就職に関して喜んでいいのか、悪いのかよくわからないデータがある。

 厚生労働省によると2012年春の就職率は、93.6%で前年に比べて2.6%アップとなった。喜ぶべき数字だ。こんなに就職がいいとは思わなかった。90%以上というと、「まあ普通に就職できるやないか」と安心してしまう。

 ところが一方で、大学生全体でみると就職したのは64.8%だという。

 あれ?3分の1の大学生は就職していないんだ?これは厳しい。

 就職希望者の90%以上は就職できたけど、大学生全体からすると、60%程度しか就職していないということ。

 就職を希望しない大学生は、大学院に行ったり、海外に留学したりしているのならいいけど、2011年の10歳から20歳の就職で悩んでの自殺は、150人(07年比2.5倍)、内大学生は41人(07年比3.2倍)という数字を見ると、喜んでばかりもいられない。

 就職を諦めて、世の中の就職希望のデータから消えてしまっている大学生が増えている可能性があるからだ。彼らの多くはおそらく物理的にも、心理的にも引きこもり状態になり、社会との関わりを切ってしまっているのではないだろうかと懸念される。もっと出会いを求めねば人生は拓けない。

出会いを求めねば人生は拓けない

 人は人と出会わなければ人生を進むことはできない。人と人との出会いで人生を切り拓くのが人だ。引きこもっていてはいけないと強調したい。

 出会いこそ人生のチャンス。そのことについて考えたい。