企業情報、就活ノウハウの情報収集
悩み相談をSNSでする方法

 まず、情報収集の方法について、その目的を「企業・業界情報」と「就活ノウハウ」に分けて紹介していこう。

 企業・業界に関する情報をSNSで探す際は、検索エンジンを利用するのと同様に「企業名」「業界に関するキーワード」を打ち込むだけでも、大手ナビサイトや合同企業説明会だけでは知ることができない情報を得られる可能性がある。先ほど挙げた学生が不安視する3つの要素について調べるのに、持ってこいだろう。

「SNS上で拾える情報には雑音も多いが、メディア目線での考察以外に、さまざまな角度からの見解、世の中の声や傾向を定量的に把握することができる。

 また、社名はあまり有名ではないが、自分の関心に沿った企業やユニークな企業を探すのにも向いている。例えば、『リモートワーク』など自分の関心があるキーワードを入れて検索するだけでも、それを体現する企業を見つけるきっかけにもなるだろう」(秋山氏)

 SNSは就活ノウハウなどを知る一助にもなる。最近では、就活情報などをまとめてシェアする「就活情報アカウント」が増えており、それらをフォローすれば、情報や就活のノウハウを自然と得られる。とはいえ、数多くのアカウントがあるため、過去の投稿やエンゲージメント数などをチェックして、自分がフォローするに足るかどうか判断してからフォローをするといいだろう。

 もう1つ、人との接触機会が減っている中で有効な情報入手先と言えるのが、LINEのオープンチャットだ。

「コロナ禍で、大学の友人や先輩と話す機会が減ったことで、就活生同士がやりとりをする『ダークソーシャル』(第三者には情報が公開されない)の需要が高まっている。これは就活生たちの不安の解消に大いに役立っているようだ」(秋山氏)

SNS情報収集にはデメリットも
人事担当はアカウントを見ている

 コロナ禍でより活用が広がったSNSにはメリットが多いように感じるが、もちろんデメリットもある。

 まず、多くの情報にアクセスできるようになることで意思決定の材料が増え、判断が難しくなる点だ。これはメリットであるものの、判断に迷う点でデメリットともいえるだろう。