「自分は財産が少ないから大丈夫」と油断していると危ない。相続を専門に手掛け、YouTubeで【円満相続ちゃんねる】を運営し、『ぶっちゃけ相続』の著書がある税理士の橘慶太氏は「国税庁には、国税総合管理システムというデータベースがあり、全国民の資産額はおおむね把握されています。税務調査に選ばれるのは、そこで算出された理論値と、実際の申告書の遺産額に乖離がある場合です」と明かす。

 実地調査でチェックされるのは、主に過去10年分くらいの預金通帳。資産を小さく見せようとする人は現金を引き出してたんすに隠したり、子どもや孫の通帳に生前贈与を装って振り込んだり、金(きん)に換えたり……というのがよくあるパターンで、調査官は通帳を見てその形跡を追う。

 ここで最も厳しくチェックされるのが「名義預金」。名義預金とは、名義人と実際の預金者が別の預金のこと。そこであらぬ疑いを掛けられないためにも「家族や親族間での資金援助や贈与はきちんと分かるようにしておくことが重要」と橘氏はアドバイスする。

 また「狙われやすい人」は特に、会社の経営者、個人事業で生計を立てていた人、また最近特に多いのが海外口座を持っている人だという。

 実は、調査官は実地調査前にほとんど調べを終わらせてやって来る。結局、修正の指摘を受けて追徴課税を払うことになるケースが大半だ。プロである税理士に相談し、うそをつかず正直に対応することが、余計なペナルティーを科されず最も“軽傷”で済む策だ。

Key Visual by Tatsuya Hanamoto, Kanako Onda, Graphic:Daddy’s Home